炉内に装入した製品を、NH₃・N₂・CO₂の混合ガス雰囲気中で530~600℃に加熱し、NH₃から分解したN成分で窒化を、CO₂から分解したC成分で浸炭を行い、製品表面に5~20μm程度の鉄の炭窒化物による化合物層被膜を生成する処理です。
生成される化合物層は緻密で、高い硬さと適度な靱性を併せ持ち、主に部品表面の耐摩耗性向上に寄与し、また表面が化合物層被膜で覆われることにより、耐食性も向上します。
また、ガス軟窒化後に油冷を行うことにより、化合物層直下から0.5mm前後の内部まで固溶窒素拡散層が生成されるため、耐疲労強度向上にも効果があります。
対象鋼種は、低炭素鋼から合金鋼、鋳鉄や焼結まで幅広く対応します(ただし不動態被膜を持つステンレス鋼には適用できません)。
また、焼入を伴わない変態点温度以下の処理のため、熱処理後の変形・歪が非常に少なく、後加工無しでアッセンブリーが可能となる事例も多くございます。